カテゴリ:Books & Movies( 21 )
「秘密」
「この本はね、絶対に、絶対に、泣けるよ。
すごくいいお話だから!!読んでみて!!」
と主張する、おともだちから借りた本です。

タイトルだけではピンときませんが、この作品は映画化されています。
3人家族のお話です。主人公は父親&夫の男性。
物語のスタートは妻と娘が事故に遭うところから。
妻が死に、娘は生き残るんですが、娘の中身は妻。
・・・・・・・・・というストーリーを聞いたことがありませんか?
わたしはテレビかどこかで聞いたことがあります。
それがこの本だったとは知らなかったけど。

これが泣けるほどのお話なのかというと、確かにそうなんでしょうけど、
少なくとも、わたしは、泣けませんでした。
あるいは、おともだちから前評判を聞いていたので、
批評的な目になっていたのかもしれません。

だって、想像通りのオチだったんだもん。
何よりも、エンディングで泣くには非現実的すぎる。
どちらかというと、冒頭の、家族の事故をテレビのニュースで知るシーンのほうが、
よっぽどリアルで、怖くて、感情移入できます。
あと、途中の、本筋とは関係ないほかの人のエピソード、
こういった複線はすごくイイ。

このお話、映画で観たほうが感動できるんじゃないでしょうか。
うまく編集して、映像もきれいではかなげなのを持ってくるでしょうから。

e0055091_3543047.jpg「秘密」
東野圭吾
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by naokochin1 | 2006-05-18 03:53 | Books & Movies
Nobody Knows
映画を観ました。
日本の映画、“Nobody Knows”です。(公式HPに飛びます)

わたしの映画の好みはとても偏りがあります。
スパイ映画と、ハッピーな映画だけ、好きなんです。
基本的にハッピーエンドになるものしか、観ないんです。
ホラーだけど、ハッピーエンドっていうのは、ダメです。無理。
どうしても観なくちゃいけないんなら、
ミュートにするか、早送りにするかして、流してみます。

で、何も知らずに観たこの映画。
もうすこし、登場人物がみんな、血気盛んにがんばるのかなと思ったんですが、
そうじゃなかったです。
しかもハッピーエンドじゃなかったですしー。

虐待とか、そういったものは一切ありませんでしたが、
見捨てられ具合がすごく、「ITと呼ばれた子」を思い出させました。
こういうのダメなんですよー。食欲なくなります。
かわいそうなんですもん。

この映画にでてくる子たちは、自己主張しないし、セリフも少ないけど、
表情や行動で、何を考えているのかが想像できちゃう。
でも、普通に考えてみたら、こういう状況下の子たちが雄弁なはずがないんですよね。

東京だったら、まだどこかにこういう子たちがいるような気がする。
何もできずに見過ごしてしまっているような気がする。
この映画のもとになったニュースが知りたいです。

e0055091_1213682.jpgNobody Knows
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by naokochin1 | 2006-05-07 11:48 | Books & Movies
「星の王子様」
最近(でももうないけど)、著作権が切れたようで、
いろんな人が翻訳に挑戦している作品です。

新訳版はどんなものかと、本屋さんでいくつか立ち読みしてきましたが、
個人的には、どれもイマイチ。
昔の訳本は、行間をかなり想像しなければならなくて、
難しいなと思いながらも、自分なりの解釈を見つけながら読んだように思うのですが、
新しいほうは、行間が消えちゃったかんじ。
子供が背伸びしないで読める絵本と変わらない気がします。
よくないゾ、こういう傾向は。
というわけで、わたしは旧訳擁護派です。

ちなみに、わたしが初めて読んだのは小学生のときです。
すごくいいお話~と、思っていたので、
高校に入って、おともだちに貸してあげたんです。

読み終わった本を返してくれながら彼女は、こう言いました。
「いいお話なのはすごくよくわかったけど、
これを読んで感動できるほど子供でもなかった」
って。

そのときは、思ったんです。
「あぁ確かにね~」
高校生、オトナぶりたい時期でしたから。
でも今、読み返してみると、
大人(世間的には)になった今のほうが、
なんだか身につまされるかんじがします。
忘れていたことを思い出させられたようなかんじ。

たいせつなことは、目に見えないもので、
心で見なきゃ、本当のことは見えなくて・・・

見逃しているものがたくさんありそうだなあって、
あらためて思いました。

e0055091_15552527.jpg「星の王子様」
サン・テグジュペリ 
内藤濯 訳
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by naokochin1 | 2006-02-27 15:51 | Books & Movies
「龍は眠る」
この作品の作者も、宮部みゆきです。
うちにたまたま彼女の本が沢山あったので、
連続で読んだというわけなのです。

これは超能力者のお話です。
先日書いた、筒井康隆の七瀬シリーズと、ちょっと似てます。
なんだか、わたしはこういうのが好きみたいです、
「現実の世界にひっそり隠れて生きてる不思議な力の持ち主」
という設定の話が・・・・・・・・・
たとえばスパイダーマンとか。ああいうの好き。

七瀬のお話は、主に彼女(=超能力者)の目線で書かれていますが、
今回のは、「超能力者のまわりにいる普通の人」が主人公です。
なので、こちらのほうが感情移入しやすいかもしれません。

作中の事件やイベントなどは、手の込んだものではないのですが、
超能力がからんでいるかも・・・・・・と考えると、オチを想像しにくいです。
かといって、「何でもアリ」的な、強引な話の流れではないので、
ガッカリすることはないと思います。
別な意味で、ガッカリはするでしょうけれど、
・・・・・・これ以上はネタバレなので、やめときます。

e0055091_1431697.jpg「龍は眠る」
宮部みゆき
新潮文庫
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by naokochin1 | 2006-01-14 14:28 | Books & Movies
「火車」
初めて読んだ宮部みゆきの作品は「レベル7」で、
そこから彼女にハマったんですが、
これが一番お気に入りです。

これから彼女がどんな作品を書こうとも、
わたしの中で、
「コレが一番!」
っていうランク付けは変わらないように思います。
この本を読んで以降、本屋さんで、「宮部みゆきの本」を見かけるたび、買って読んでましたが、時を経るにつれ、力の抜きどころをおぼえたみたいな書き方が増えて、だんだん購入頻度が減ってしまいました。
宮部みゆきに関しては、初期の作品の方が、わたしは好き。


さて、「火車」について。
本屋さんでこのタイトルを見かけたときに、
ふたつのイメージが思い浮かんだんです。
ひとつは、お祭りで使う「山車(だし)」にまつわる話。
もうひとつは、「うちの家計は火の車」的な、貧乏話。

物語の発端は、
元警察官の主人公の、親戚の婚約者が行方不明になるところから。
捜索を頼まれるのですが、手掛かりはゼロ。
調べるうちに「クレジットカード破産」がらみだとわかってくる・・・という話。
ここからもっと複雑に展開していきます。

わたしの想像は結果的に後者のほうが当たったわけなんですが、
わたしが書いた文章から想像できそうな、
さらっと読めそうな要素はひとつもない、かなりシリアスなお話です。

作者の「行方不明の婚約者」の書き方がすごく上手です。
このことについてあんまり書くとネタバレになるので書けません・・・

よくこんなめんどくさい話をきちんと組み立てて書けたなあ、
と、感心します。

こんなふうに、しずかに、
でもハラハラを伴って進んでいく話はめずらしいかもしれません。
「クレジットカード破産」に対するわたしの認識がそう思わせるんでしょうけど。

身につまされるように感じたのが、
「クレジットカードの使い方を学校では教わらない」
という部分でした。
パソコンの授業、英語の授業、メイクの講習・・・・・・はあるのに、
カードの仕組みは教えてもらえないんですよね。

わたしはローンを組ませる側の人間だったので、クレジットカードの仕組みはもちろん、各カード会社ごとの金利をはじめ、どういう支払い方法が一番ラクかとか、何回払い以上だと金利がどのくらい上がるのかとか、どの会社の手数料が安いかとか、全部頭に入っていました。
一覧表にして暗記したりとか、それこそカード会社に問い合わせの電話をしたりとかも、しましたから。スゴイだろ。えへ。
でも、それは仕事で、売り上げが欲しかったから勉強したことであって、普通はしないことなんだろうなと思います。
だから、みんな普通に使っていても、実はよくわからない。
「カードは怖いから使いたくない」
って、言う人、まわりにいませんか?
いるでしょ?実態がわからないから、とてつもなく大きく、恐ろしく見えるんですよ。
わかってさえいれば、自己管理できるものなのに。

アメリカは、カード化がかなり進んでいますが、
それでも、みんなたいしてわかっていないんじゃないかな、と思うもん。

気づかないところで手遅れになる前に、自重しなくちゃですね。
明日は我が身、かもしれないから。

e0055091_14351418.jpg「火車」
宮部みゆき
新潮文庫
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by naokochin1 | 2006-01-11 14:30 | Books & Movies
「家族八景」
七瀬シリーズの1作目です。

作者が筒井康隆、最近の人じゃないので、知らないかもしれませんが、
彼は「時をかける少女」などで有名です。

人の心を読めて、時間をさかのぼる能力のある七瀬は、
その正体がバレないように、
住み込みのお手伝いさんをしながら、各地を転々としています。

その、転々とした8つの家族の話、短編風のストーリーです。

人の心の悪い部分がことさら強調されていて、
それが聞こえてしまう七瀬にはさぞかしツライ生活だったことでしょう、
正体がバレる云々だけではなくて。
なので、彼女は1箇所に長くいることをしないようなのです。

人間、悪い部分ばかりでは決してないんでしょうけれど、
これが物語の軸ですから、どす黒い部分が浮き彫りにされています。
重い宿命を背負っている七瀬だけれど、
気持ちの持っていきかたしだいで、もうすこし楽に生きれたかもしれないのにな。

たたみかけるような、勢いをつけるような文章が、好きでした。
反復表現が多いせいだと思いますが、
日本語をうまく操っているな、という感じがします。
作家さんですから、当たり前なのかな・・・・・・・・・

ちなみに七瀬シリーズとは、
「家族八景」
「七瀬ふたたび」
「エディプスの恋人」
の3作のことです。すべて七瀬が主人公です。
単品で読んでも話は通じますが、時間軸のとおりに読むとこの順番です。
七瀬ふたたびが特に有名ですよ。
最初にうちにあった「七瀬ふたたび」を読んでから、前後の作品を探したくらいですから。

松本清張くらいの時代なので、親世代がよく知っているかもしれませんね。

「家族八景」
筒井康隆
新潮文庫
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by naokochin1 | 2006-01-09 13:20 | Books & Movies
「ジェーン・エア」
なんか、活字に飢えてるみたいですね、わたし。

これは、タイトルの響きが好きで、読んだ本でした。

人の名前がタイトルになってるんですが、
ここからわたしがイメージしたひとは、
ふわっとした、物腰のやわらかな女性でした。

ジェーンはたしかに、見た感じ(読んだ感じ?)は、
おとなしくてやさしい、おそらく素朴な女性ですが、
熱くて強い内側を、感じさせられます。

あらすじはこんな感じ。
ジェーンが家庭教師として住むようになった家で出会った人が、
自分のことを好きになってくれたんだけども、
彼はなにか隠し事をしていて、
その何かがわからないまま、結婚することになります。
結婚式の当日に、その秘密が明らかにされます。

その秘密は・・・・・・書かないほうがいいですよね。
これが物語の核なので。

読み返すと、昔は理解できなかったことが少しわかった気がします。

前に読んだときは、
「健気だなあ~」
くらいに思ってました。
そもそも、物語を批判するなんて感覚が、その当時はありませんでしたから。

今回思ったことは、
「ブチ切れて別れるのがフツーなのに、
なんで別れないのかがわからない」
でした。
それでも好きでいつづけられるその気持ちがわからない。
・・・・・・・・・イヤ、わかるんですけど、
「好きになっちゃんたんだったら、しょうがないよね~」
って、それじゃあ現実と一緒じゃないですか。
教訓みたいな、いい解決策を提示する形で終わってほしかったです。

でも、この物語の結末は、
読む人によって解釈が代わるんじゃないかと思います。

しあわせのかたちって、
見る人や見る角度によって、全然違ってくるから。

「ジェーン・エア」
シャーロット・ブロンテ
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by naokochin1 | 2006-01-03 08:06 | Books & Movies
「理由」
数年前に買って、読まずに放置していた本です。
買ったときは読む気マンマンだったんですが、
当時ちょっと忙しくて、しばらく放っておいたら、読む気が失せました。
なぜなら、コレはとても分厚い本なんです。ハードカバーで約600ページ。

これは4人家族が殺される話ですが、
犯人探しよりも、それ以外の部分に謎が多いです。
犯人に関しては、初期の段階でわかってしまったように思います。
でも、それでも読み進めるのはなぜか?
理由がわからないからです。

「あのとき」、「あの場所」に、「なぜ」、「あの人」がいたのか。
こういう疑問に何度も出くわします。
もちろん、すべてクリアになるのは最後なんですけどね。

e0055091_0315857.jpg「理由」
宮部みゆき
朝日新聞社出版 1890円
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by naokochin1 | 2006-01-02 23:29 | Books & Movies
「魔法の質問」
おともだちが書いた本です。
彼は昔のルームメイトのダンナサマです。

奥さんの妊娠&出産を機に、
共同生活は終了したけれど、
大人の4人暮らしはすごく面白い経験でした。

本を出すという話は人づてで聞いていたんですが、スゴイなあ・・・・・・
そういえば、わたしも昔、本を出したいと思っていたことがあったなあ・・・・・・
なつかしいです・・・・・・わたしの話は関係ないんですけど。

ところで、この本、タイトルからして、かわいいと思いませんか?
「魔法の質問」
響きがすてき。
なんというか、ねがいごとが叶いそうな感じ。

書籍と同じタイトルで、メールマガジンも発行しています。
メルマガ&ブログをまとめたのが、書籍版というかんじですかねえ。

いちにちひとつの質問が届くので、
それに答えます。
答えはひとつじゃなくてもいいんだろうと思うんですが、
イイコトで答えるような、そんな質問が多いですね。
少なくともイエスやノーでは答えることが出来ないし、
だからわたしも一生懸命考えてます。

たとえば、こんなかんじ。
「あなたにとって都合の悪いことは何ですか?」
「自分のどこを変えたいですか?」
「お金を払ってでもやりたいことは何ですか?」
「5年後の1日はどんな生活をしていますか?」

あなただったら、なんて答えますか?

e0055091_12215265.jpg「魔法の質問」
マツダ ミヒロ
サンマーク出版 1,260円
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by naokochin1 | 2005-12-19 12:20 | Books & Movies
「人形の家」
イプセンの人形の家、という名前だけは、
読む前から知ってました。
なんだか、虚飾とか虚構とか、「嘘で固めたこと」とかの、
代名詞みたいになってません?

タイトルのかわいらしさと、世間に流布しているイメージがかけ離れているので、
読んでみようかなと思ったわけです。

これは、主人公ノラがちょっとした詐称をして、
それを夫に言うか言うまいかで悩む話。
最終的には夫に言うんですけど、
彼のリアクションは彼女が期待していたものと違うものでした。

もしも今なら、小説のお題になんか絶対にならない話でしょうね。
でも当時は社会問題にまでなったらしい。
女性が男性と同じ立場でものを言うのが許されない時代ですから。

「父が育てたのは娘ではなく、夫が一緒にいたのは妻ではなく、○○・・・・・・」
大切な人にこんなことを言うって、さみしいな。

世間でこの作品について物議を呼んでいる中、
お茶会やパーティにイプセンが招かれても、
その招待状には、
「人形の家やノラに関する一切の話はご遠慮ください」
と書き加えられていたんですって。

新しいことをしようとする最初の人って、
とっても敵視されますもんね。
たとえそれが小説の中のことでも、作者には責任があるってことか・・・

戯曲形式で、ト書きもちゃんとあります。
わたしは古本屋さんで買ったのですが、前の持ち主は台本として使っていた様子。
書き込みがあちこちにありました。

e0055091_820338.jpg「人形の家」
イプセン 竹山道夫訳
岩波文庫
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by naokochin1 | 2005-12-03 08:18 | Books & Movies