The Chrysanthemums
English 1Bのライティングのクラスは、文学を読んでそれを元にエッセイを書く、と先日も書きました。知らない作家も多いですが、知っている作家も多いです。知っている作家の読んだことのない作品というのは、わりと興味を持って読むことができます。

先日読んだのは、 “The Chrysanthemums” 邦題は「菊」というタイトルの、スタインベックの短編でした。

旦那さんが農場主で、主人公のエリサは35歳、サバサバした男っぽい女性。菊の花を育てるのが好きで、泥まみれになることをいとわずに打ち込むほど。

そのいわゆるハンサムな奥さんをディナーに誘って、奥さんがおめかしをした姿を旦那さんに見せるシーンがあるのですが、それがなかなか笑えました。

“You look so nice!”
(まあいいんじゃない?)
“Nice? You think I look nice? What do you mean by 'nice'?”
(何よそれ、どういう意味よ?)
Henry blundered on. "I don't know. I mean you look different, strong and happy."
(わかんないけど、なんか違うく見えるよ、幸せそうで強そうっていうか)

Niceとは、キモチの距離が近い人に対してはあまりほめ言葉にはならないみたいです。
“My teacher is nice.”
(わたしの先生は、いいひとなの)
「イイヒト」=「どーでもいいひと」みたく聞こえちゃうのかもしれません。多少なりともニュアンスは違うんでしょうけれども。

せっかくおめかししたのに、
「強そう」
って言われたら・・・・・・・・・しかもこのあとさらに、
「スイカ食ったみたいに幸せそうだよ」
とも言われてます。どれだけ微妙なキモチになったか、想像するにあまりある。

奥さんは、そのあと、
「わたしが強いなんて、ぜんっぜん知らなかったわよ!!」
とキレます。あたりまえですよね。

この部分の説明を先生がしたとき、彼女は頬を挟むようにして両手を顔に当てて、
「おめかししたけどどうかしら・・・・・・って、強そうって言った?アナタ」
と、主人公のマネをして見せてくれました。
この先生もさばさばさっぱりした女性なので、そのしぐさが似合わなくて似合わなくて、それに対しても笑ってしまいました。先生ごめんなさい。

ちなみにこのシーンは面白く読みましたが、この物語自体は笑える話ではありません。
35歳で子供のいない女性が、なにかが物足りなくて日々葛藤しているのに、空回りしている、そして旦那はそれに気づいていない、という話ですから。
1938年当時、35歳で子供がいなかったら、子供は作らないという選択をしたと言うことになるんでしょうね。
疑問に思うのは、こういう話を書いた人が、男性だっていうことです。
タイトルも「バラ」とか「パンジー」とかではない、「菊」だし。
どういうふうに想像して、女性の気持ちを書いたんでしょうね、スタインベックは。

文中の訳はわたしの解釈なので、本来の意図と違うところがあるかもしれません。
原文が気になる方はこちらをご覧ください。
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by naokochin1 | 2006-09-28 13:23 | School


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