「火車」
初めて読んだ宮部みゆきの作品は「レベル7」で、
そこから彼女にハマったんですが、
これが一番お気に入りです。

これから彼女がどんな作品を書こうとも、
わたしの中で、
「コレが一番!」
っていうランク付けは変わらないように思います。
この本を読んで以降、本屋さんで、「宮部みゆきの本」を見かけるたび、買って読んでましたが、時を経るにつれ、力の抜きどころをおぼえたみたいな書き方が増えて、だんだん購入頻度が減ってしまいました。
宮部みゆきに関しては、初期の作品の方が、わたしは好き。


さて、「火車」について。
本屋さんでこのタイトルを見かけたときに、
ふたつのイメージが思い浮かんだんです。
ひとつは、お祭りで使う「山車(だし)」にまつわる話。
もうひとつは、「うちの家計は火の車」的な、貧乏話。

物語の発端は、
元警察官の主人公の、親戚の婚約者が行方不明になるところから。
捜索を頼まれるのですが、手掛かりはゼロ。
調べるうちに「クレジットカード破産」がらみだとわかってくる・・・という話。
ここからもっと複雑に展開していきます。

わたしの想像は結果的に後者のほうが当たったわけなんですが、
わたしが書いた文章から想像できそうな、
さらっと読めそうな要素はひとつもない、かなりシリアスなお話です。

作者の「行方不明の婚約者」の書き方がすごく上手です。
このことについてあんまり書くとネタバレになるので書けません・・・

よくこんなめんどくさい話をきちんと組み立てて書けたなあ、
と、感心します。

こんなふうに、しずかに、
でもハラハラを伴って進んでいく話はめずらしいかもしれません。
「クレジットカード破産」に対するわたしの認識がそう思わせるんでしょうけど。

身につまされるように感じたのが、
「クレジットカードの使い方を学校では教わらない」
という部分でした。
パソコンの授業、英語の授業、メイクの講習・・・・・・はあるのに、
カードの仕組みは教えてもらえないんですよね。

わたしはローンを組ませる側の人間だったので、クレジットカードの仕組みはもちろん、各カード会社ごとの金利をはじめ、どういう支払い方法が一番ラクかとか、何回払い以上だと金利がどのくらい上がるのかとか、どの会社の手数料が安いかとか、全部頭に入っていました。
一覧表にして暗記したりとか、それこそカード会社に問い合わせの電話をしたりとかも、しましたから。スゴイだろ。えへ。
でも、それは仕事で、売り上げが欲しかったから勉強したことであって、普通はしないことなんだろうなと思います。
だから、みんな普通に使っていても、実はよくわからない。
「カードは怖いから使いたくない」
って、言う人、まわりにいませんか?
いるでしょ?実態がわからないから、とてつもなく大きく、恐ろしく見えるんですよ。
わかってさえいれば、自己管理できるものなのに。

アメリカは、カード化がかなり進んでいますが、
それでも、みんなたいしてわかっていないんじゃないかな、と思うもん。

気づかないところで手遅れになる前に、自重しなくちゃですね。
明日は我が身、かもしれないから。

e0055091_14351418.jpg「火車」
宮部みゆき
新潮文庫
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by naokochin1 | 2006-01-11 14:30 | Books & Movies


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