「家族八景」
七瀬シリーズの1作目です。

作者が筒井康隆、最近の人じゃないので、知らないかもしれませんが、
彼は「時をかける少女」などで有名です。

人の心を読めて、時間をさかのぼる能力のある七瀬は、
その正体がバレないように、
住み込みのお手伝いさんをしながら、各地を転々としています。

その、転々とした8つの家族の話、短編風のストーリーです。

人の心の悪い部分がことさら強調されていて、
それが聞こえてしまう七瀬にはさぞかしツライ生活だったことでしょう、
正体がバレる云々だけではなくて。
なので、彼女は1箇所に長くいることをしないようなのです。

人間、悪い部分ばかりでは決してないんでしょうけれど、
これが物語の軸ですから、どす黒い部分が浮き彫りにされています。
重い宿命を背負っている七瀬だけれど、
気持ちの持っていきかたしだいで、もうすこし楽に生きれたかもしれないのにな。

たたみかけるような、勢いをつけるような文章が、好きでした。
反復表現が多いせいだと思いますが、
日本語をうまく操っているな、という感じがします。
作家さんですから、当たり前なのかな・・・・・・・・・

ちなみに七瀬シリーズとは、
「家族八景」
「七瀬ふたたび」
「エディプスの恋人」
の3作のことです。すべて七瀬が主人公です。
単品で読んでも話は通じますが、時間軸のとおりに読むとこの順番です。
七瀬ふたたびが特に有名ですよ。
最初にうちにあった「七瀬ふたたび」を読んでから、前後の作品を探したくらいですから。

松本清張くらいの時代なので、親世代がよく知っているかもしれませんね。

「家族八景」
筒井康隆
新潮文庫
[PR]
by naokochin1 | 2006-01-09 13:20 | Books & Movies


<< 訪問 Grade >>