「人形の家」
イプセンの人形の家、という名前だけは、
読む前から知ってました。
なんだか、虚飾とか虚構とか、「嘘で固めたこと」とかの、
代名詞みたいになってません?

タイトルのかわいらしさと、世間に流布しているイメージがかけ離れているので、
読んでみようかなと思ったわけです。

これは、主人公ノラがちょっとした詐称をして、
それを夫に言うか言うまいかで悩む話。
最終的には夫に言うんですけど、
彼のリアクションは彼女が期待していたものと違うものでした。

もしも今なら、小説のお題になんか絶対にならない話でしょうね。
でも当時は社会問題にまでなったらしい。
女性が男性と同じ立場でものを言うのが許されない時代ですから。

「父が育てたのは娘ではなく、夫が一緒にいたのは妻ではなく、○○・・・・・・」
大切な人にこんなことを言うって、さみしいな。

世間でこの作品について物議を呼んでいる中、
お茶会やパーティにイプセンが招かれても、
その招待状には、
「人形の家やノラに関する一切の話はご遠慮ください」
と書き加えられていたんですって。

新しいことをしようとする最初の人って、
とっても敵視されますもんね。
たとえそれが小説の中のことでも、作者には責任があるってことか・・・

戯曲形式で、ト書きもちゃんとあります。
わたしは古本屋さんで買ったのですが、前の持ち主は台本として使っていた様子。
書き込みがあちこちにありました。

e0055091_820338.jpg「人形の家」
イプセン 竹山道夫訳
岩波文庫
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by naokochin1 | 2005-12-03 08:18 | Books & Movies


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